アメリカ(ラスベガス)で日本のパスポートを更新
ラスベガスに住んでいる日本人にとって、パスポートの更新はかなり面倒なものだった。
ラスベガスには日本国総領事館はなく、近くの領事はロサンゼルス(車で4時間)だが、ラスベガス地域を担当する領事はサンフランシスコ領事(車で8時間)となっている。
こういった事情も考慮されてか、サンフランシスコ領事館は年に数回の頻度で出張領事館サービスをラスベガスで開催してくれていた。ところが、COVID-19のパンデミックにより、ここ2年間程この出張領事館サービスがラスベガスでは開催されなかったのだ。
3週間後の日本行き航空券を手配した後、念のためパスポートに目をやると、パスポートが10日程前に期限切れとなっていることに気づいた!
さあ、大変だ。
事実関係&まとめを先に箇条書き:
新規発給(パスポートを初めて申請する方、有効期限切れの方)
私の場合、期限が切れてしまっていたので、「パスポート更新」の扱いではなく、「新規取得」になるそうで、パスポート番号も変わってしまう。
在サンフランシスコ日本国総領事館 新規発給(パスポートを初めて申請する方、有効期限切れの方)
この場合なんと日本の戸籍証明が必要だ!(6ヶ月以内に発行された戸籍謄本(抄本でも可)1通)
戸籍証明を日本から取り寄せる
戸籍証明を取得するには戸籍のある日本の市町村から取得しなければならない。
しかも役所の窓口に本人が行くことができないので、代理人の選定と委任状が必要なのだ。
そして、委任状は本人の自筆でなくてはならないので、委任状をラスベガスで作成して自筆でサインし、日本に郵送する必要があった。
代理で役所に行ってくれる代理人が、委任状を受け取るまでに7日間かかった。
到着した翌日に役所に出向いてもらい、同日中に取得した戸籍謄本をEMS(国際郵便)でラスベガスに送ってもらう。
サンフランシスコ領事館とアポイントメントを取る
日本から戸籍謄本が届くまでに時間がかかりそうなので、領事館とのアポイントメントは日本に行く航空便の出発前ギリギリに予約を取る。併せて会社(コンシェルジュ)にもお休みをもらう。
さて、サンフランシスコ領事館から距離にして100マイル以上離れているところに住んでいる日本人は、遠方居住者と認定され、パスポートの即時発行が受けられる。
なんともありがたいサービスである。
しかしながら申請書の提出には本人が直接窓口に行かなければいけない。
つまりラスベガスから飛行機に乗って、サンフランシスコ領事館に行く必要がある。
またこのCOVID-19パンデミックかの影響で、窓口で受け付けてもらうためには事前に電話で予約が必要だ。
領事館でのアポを取った後は、日本からのEMSのパッケージが届くのを祈るようにして日々を過ごす羽目に。(トラッキング番号もあったのでおおよその見当はついた。)
国際郵便も未だCOVID-19の影響で遅延が発生している。
私の戸籍謄本はロサンゼルスに到着した後、税関検査に3日程かかり、なんだかんだでラスベガスから委任状を発送した日から18日間かかって、ようやく入手することができた。領事館とのアポイントの前日であったが、ギリギリでも間に合って良かった。
私のアポイントは、朝10時だった。
ラスベガス発でサンフランシスコ行の航空券を取得
朝10時にサンフランシスコ領事館に着くためには、サンフランシスコ空港に少なくとも 朝9時 までに到着する飛行機でいかなければならない。ラスベガスからサンフランシスコまでのフライトは約1時間半だ。
だから、朝7時半前にラスベガスを出発する便を予約しなければならない。
こうなってくると選択肢の幅がかなり狭められる、エクスペディア、スプリント等も含めて格安航空券を調べたのだが、時間帯の合う航空便の運航があるのはサウスウエストエアラインか、フロンティアエアラインの2者択一であった。
サウスウエストは片道100ドル、一方でフロンティアは片道たったの23ドルだった。
※座席を確保したら、各社のアプリをダウンロードして、ボーディングパスを表示できるようにしておく。
Frontierエアラインには乗ったことがなかったが、23ドルと100ドルの差は大きく感じたのでフロンティアエアラインを迷わずピック。
Frontierエアラインに乗って得な人:パーソナルアイテムしか荷物がない人、スマホにアプリをインストールできて紙への印刷物を要求しない人。
しかしこのエアラインは、チケットを安く販売し、機内持ち込み荷物(いわゆるキャリーオン)に課金し、ボーディングパスをプリントアウトすると課金し、だんだんと金額が上乗せされていくタイプのビジネスモデルなので要注意だ。
私は何にも必要ないチケットを23ドルで購入。機内持ち込み荷物もパーソナルアイテムとみなされる大きさの小さなバックパック1つにまとめた。
ラスベガス発の国内線に搭乗
フロンティアエアラインの出発時刻が6時20分であったため、ラスベガス空港に4時20分までに行った。混雑しているとセキュリティーに時間がかかるので、念のため2時間前に行った。
セキュリティーゲートを遅滞なく通過し、ボーディングパスに書いてあるゲートの前で待っていたが、場内アナウンスでゲートの変更が告げられて、一番遠方のゲートへ移動させられた。空港の1番遠い出発ゲートだ。
何とか、新しいゲートの前にボーディング時刻ギリギリで移動することができた。
ボーディングはかなり混乱している状態。何故かと言うとパーソナルアイテム範囲内の大きさなのか、それともCarry Onサイズなのかを判断する計測用の升があるのだが、Carry Onだと判断されても追加料金は払いたくない。このため荷物の一部を連れのカバンに移動させ、何とかパーソナルアイテム以内(追加料金なし)で登場しようとする人でごった返しであった。
なんとも忍耐力が必要なエアラインだ。
飛行時間が1時間43分と「かなり時間がかかるなぁ。何か小さい飛行機なのかな?」と思っていたが、エアバス社のA320だった。とても良い飛行機で安心した。
ゲートを離れ試運転も終わり、滑走路に向かってタクシーしていた。ところがその途中で、機内アナウンスがありエアコンディショニングシステムが壊れたので、ゲートに戻ってトラブルシューティングをすると機長が言った。
アメリカ国内線の遅延
この時点で、ほぼ10時には間に合わないだろう・・・と思った。
ゲートに戻っても30分以内に離陸すれば何とか間に合うかもしれない・・と言うレベルである。
15分位間は機内で待機していただろうか、再び機内放送。もっと時間がかかることだが明らかになったので、飛行機を降りてゲートの側で待っている様にとのアナウンス。
余談だが、飛行機を降りる際のエチケットとして、前の座席から順々に降機していくのが常識のところ、安いエアラインのせいか?後部座席にいた人が我先に降りようと、人を押しのけながら通路を塞いだ。ここでも大パニックである。
それから、いろいろ状況が変わり、結果として4時間遅れで、ようやく別の機体でサンフランシスコに向かうことができた。
間に合わなくなった事が明らかになった時に、領事館にすぐに電話を入れて10時は絶望的であると言うことを伝えると、親切にも1時に変更してくれた。その1時にギリギリ間に合うような飛行機の遅れがありました。やれやれ。
アメリカの国内線は、4時間程度の遅れは結構ある。私の経験則では遅れが出るのは3割程度の確率か。
サンフランシスコ国際空港から、サンフランシスコ日本領事館に向かう。
サンフランシスコ国際空港から日本国総領事館へ行く
サンフランシスコ国際空港から日本国領事館まで行くのはシンプルかつ簡単だ。BART(バアアト)=Bay Area Railway Transportation交通網で1本だ。サンフランシスコ空港の国際線ターミナルにある、BART駅まで歩いていき、イエローLINEに乗る。
料金は10ドル。乗車時間は30分程度。電車は15分に1本の割合で出ているので、1時間を見ておけば間違いない。朝方であったが、車内はガラガラだった。
降車駅名はMontgomery(モントゴメリ)。モントゴメリからは徒歩で5分位だった。領事館の入っているビルディングは目立った特徴がない。275バッテリーとサインのビルディングがそれだ。
ビルディングの中に入って21階に進むと、そこには日本が待っていた。(※アメリカのビルディングの中なのに、なぜか日本で見る景色そのものなんです。)
マスクも必須だった。領事館のウェブサイトにも書いてあったので知っていたのだが、カバンの奥底に入っていて取り出すのに苦労していると、セキュリティー担当者が新しいマスクをくださった。(アメリカ的対応か?)ありがたい。
セキュリティー装置を通過した後、呼び出されるのを待って申請書を提出。1時間半後にまた戻って来いと言うことだった。
遠方から来て、飛行機の遅れのせいで4時間もアポイントに遅れたにもかかわらず、たった1時間半で新しいパスポートを発行していただけた。待ち時間の1時間半は、地上階からすぐそばに見えるスターバックスで時間を潰した。その後に戻ってパスポートを受け取った。
料金は148ドルだった。
サンフランシスコ市内観光
せっかくサンフランシスコまで来たのだから、ケーブルカーにでも乗ってみようか。ケーブルカーに乗るためにはいろいろな方法があるのだが1日乗り放題券で13ドルで乗車券が降っていることがわかり、迷わずそれを使う。MUNI(ミュニィ)=San Francisco Municipal Railway
ケーブルカーで乗り継いで、フィッシャーマンズワーフまで到着。
Pier 39(ピアサーティーナイン)に行ってCrabhouseレストラン(Pier Market)に行く。ここはサンフランシスコに来るとよく来るお気に入りのレストランだ。そうそうアルカトラスが見えることでも有名な桟橋(ピア)。レストランのメニューを見たら24ドルからスタートだ。隣にテイクアウトでちょっとしたランチが買える売店があるのでそちらもチェック。桟橋は混雑も少なかったので、今日は外で景色を見ながらクラムチャウダーインブレッドとクラブカクテルを注文。全部で24ドル。
サワードーが少し大きすぎたので、残してしまった。
パスポートを取りに行っただけでは、なんとももったいない旅なので、帰り道はサンホゼ(San Jose)にいる娘に会いに行くことにする。MuniとBARTの電車とバスを乗り継いでサンホゼのダウンタウンまで移動。韓国料理店でスンドゥブを食べて、スマホを充電させてもらう。最後はLyftでサンホゼ空港まで移動。10時5分出発のサウスウェスト航空(最終便)でラスベガスへ。
サウスウェストエアラインの機体はボーイング737であった。飛行時間は1時間もかからなかった。行きは1時間30分もかかったのにである。
そしてこれは余談の余談だが。100席以上空席があるにもかかわらず、私の隣に大きな酔っ払いのお兄さんが座った。フライト中、ずーっと話しかけられなんとも楽しいびっくり?フライトとなってしまった。
ラスベガスの街が見える頃になって外の景色を撮影してみることにした。今日の風向きは、山川からのアプローチのようだ。進行方向左側に座っていたので、ストリップの夜景は反対側となってしまう。残念。念のためビデオも取ったので掲載しておきます。
ラスベガスに到着したのは11時ちょい過ぎで、自宅に戻ったのは11時半ごろだった。
20時間の長旅を終え、無事新しいパスポートを入手することができた。
これで日本に行くことができるので、良しとしよう。
日本領事館の皆様どうもありがとうございました。飛行機が遅れたときにはどうなるかとヒヤヒヤしました。ご対応を重ねて御礼申し上げます。